我々はある種の社会的属性から免れることはできない。そこには常に権力関係がある。自分は弱い立場にいると思っていても、違う場面においては強者となって「見知らぬ人」の足を踏んでいるのかもしれない。

 社会には、世界には、様々な人々が暮らしている。中島みゆき『顔のない街の中で』は、社会的属性に惑わされることなく、「その人の顔を真っ直ぐに見ろ。その人の暮らしを真っ直ぐに見ろ」と問いかける。少なくとも「想起せよ」という呼びかけだ。

 これは、差別論を考えていく基本的な姿勢ではないかと思う。この曲に、想像力を喚起する画像をつけてくれたアップロード者に感謝したい。

(K)


▼顔のない街の中で





▼沒有臉孔的城市(中文字幕)